【職人としてひとこと】
私は、大工という道に入り十五年が過ぎようとしているが、まだまだこれからの職人である。
我々の技術はこれでいいのだと自己満足に陥っては決していい結果にはならない。
平成七年の阪神・淡路大震災で木造建築が多数崩壊し、そのことで、木造建築に対しての不安は避けられなかった。
多数崩壊してしまった家屋は、今から四〜五十年前に建てられた家屋ばかりだったが、なぜこれほどまでの被害になったのか?
我々木造建築の職人は考え直さなければいけないことを、自ずと知ることになったのである。
今の工法でつくっていれば、あれほどまでの被害にはならなかったのではと。
しかし、その当時の職人達にしてみれば、最高のつくりだと信じて家づくりに励んでいたのだと思う。
だが結果的に多数崩壊してしまった。そのことを良い教訓にしたからこそ、今の住宅が発展してきたのである。
より良いものを、より安全なものをと。今までとは異なる新しい考え方、そして新しい技術へと、
まだまだ考えるべきことは山ほどあるが、大工という職に携わっている以上、その概念からは逃れられない。
そしてまた、我々の次の世代に木造建築を受け継いで行ってもらうためにも、職人としての誇りを忘れてはいけないと思っている。
『誇れる家づくり』
これが私のモットーである。
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三代目棟梁 菊池道行